金属ベルトのロック破損 → 革ベルトへ交換 ”GC”

ラグ周辺の収まり確認(赤丸)
最後に“掛かり”を拡大点検

お預かりした時計は、金属ベルトのロック(カチッと留まる部分)が折れてしまい、このままでは安全に装着できない状態でした。そこで今回は、革ベルトへ交換して、安心して使える状態へ整えていきます。

まずは到着時の状態を確認し、破損箇所・全体の雰囲気をチェックします。

お預かりした時計の全体写真(作業前)
作業前の状態を確認します

革ベルト候補を5本ご用意し、色味・厚み・雰囲気を見比べていただきました。

革ベルト候補5本を並べた比較写真
候補の革ベルトから選定

今回はご希望で黒のベルトを選定。時計の印象を崩さず、合わせやすい一本です。

黒い革ベルトを合わせた時計の写真
今回は黒ベルトを採用

問題のロック部。赤印のあたりが破損しており、装着中の脱落リスクがあるため交換が必要です。

金属ベルトのロック破損箇所(矢印)
ロック部が破損して装着不可に

破損したパーツを拡大して状態確認。原因の当たりやクセも見ながら次の工程へ進みます。

破損した金属ロックパーツの拡大写真
破損パーツを拡大確認

作業性と安全のため、金属ベルトを取り外し、ケース側を傷つけないよう準備します。

金属ベルトを外した作業途中の時計
金属ベルトを取り外して準備

外した部品や周辺の汚れも確認。細かいところほど、仕上がり差が出ます。

取り外し部品と汚れの確認(綿棒と布)
細部の汚れ・状態もチェック

必要に応じて工具を使い、取付部の微調整や加工の準備を行います。

工具を使った加工・調整の準備
加工に向けた準備

革ベルト側の部材(バネ棒など)を揃え、取付の段取りを整えます。

革ベルトとバネ棒などの部材一式
取付部材を揃えて作業開始

ラグ(取付部)まわりを確認し、ベルトがまっすぐ収まる条件をチェック。

時計ラグ(取付部)まわりの確認
ラグ形状を確認

ノギスで寸法を計測。数mmの差で“入らない/外れやすい”が起きるので、ここは丁寧に。

ノギスで寸法を計測する写真
寸法を正確に測定

ベルト端の形状を確認し、必要な加工量を見極めます。

革ベルト端部の形状確認(加工前)
ベルト端の形状をチェック

ベルト内部に「補強パーツ」が入っているタイプ。構造を把握してから安全に加工します。

革ベルト内部の補強パーツ(説明付き)
内部補強パーツの位置を確認

補強パーツ位置を確認し、傷めないよう慎重に処理します。

補強パーツ周辺を処理している作業写真
補強部を傷めないよう調整

バネ棒工具で取付。片側ずつ確実に“カチッ”と入る感触を確認します。

バネ棒工具で革ベルトを取り付ける写真
バネ棒で確実に取付

取付後、左右のバランス・浮き・ズレを最終調整。強度に関わるので念入りに見ます。

取付後の位置・左右バランス確認(矢印)
ズレ・浮きを最終調整

裏側もチェックし、ケース裏の当たりや装着感の違和感がないか確認します。

時計裏側の仕上がり確認写真
裏側も当たりをチェック

最後にラグ周辺を拡大確認。バネ棒の掛かり・革の収まり・隙間を点検して完了です。

ラグ周辺の収まり確認(赤丸)
最後に“掛かり”を拡大点検

「他店では難しいと言われた…」というご相談でも、構造を見て安全にできる方法を考えます。気になる症状があれば、写真付きでお気軽にご相談ください。