TAG HEUER(タグ・ホイヤー)デジタル腕時計のご相談です。「突然、表示が消えてしまった」とのことで電池交換をご依頼いただきました。デジタルモデルは電池切れで表示が消えることが多い一方、内部の接点状態や密閉性の影響で不具合が出るケースもあります。当店では、ただ電池を入れ替えるだけではなく状態確認→電池交換→接点点検→密閉面清掃→パッキン(ガスケット)ケア→動作確認までを一連の流れで実施。作業後は工程写真をお見せしながらご説明し、不安を取り除く対応を徹底しています。

まずは作業前の全体確認です。ベルトを開いた状態で外観をチェックし、ケースの当たりやキズ、作業中に工具が触れやすい箇所を把握します。デジタルはケース形状が特徴的なため、固定姿勢を整えることも安全な作業ポイントです。

側面のボタン・リューズ周りを確認。操作部はキズが入りやすい箇所なので、必要に応じて保護しつつ作業を進めます。押し心地やガタつきなども、この段階で軽く確認しておきます。

裏蓋刻印の確認です。モデル情報と開閉方式(ネジ止め)を把握し、以降の工程説明の根拠として写真記録します。ネジ止めは本数管理が重要になるため、ここから慎重に進めます。

裏蓋固定ネジを取り外しました。小さなネジは紛失が最も起きやすいポイントのひとつ。作業台の上でまとめて管理し、組み戻しの間違いが起きないよう徹底します。

裏蓋(プレート)を外して内部へアクセスします。プレートは向きや収まりがあるため、取り外した状態も記録しながら進めると、組み戻しが確実になります。

内部の電池にアクセスし、取り外して新品へ交換します。端子や固定部に負担をかけないよう注意し、短絡(ショート)を避けながら安全に作業。ここで通電状態を確認し、表示復帰につなげます。

電池交換だけで終わらせず、電池周辺の固定と接点も点検します。接触不良は「電池を入れたのに反応が鈍い」原因になりやすいため、ズレや汚れがないかを確認することが大切です。

次に密閉性の要となるパッキン(角型ガスケット)の位置確認。噛み込みや浮きがあると密閉性が低下し、湿気や汚れが入りやすくなります。正しい溝へ収めるよう丁寧に位置出しします。

ケース側の密閉面を清掃します。パッキンが当たる溝・角部には汚れが溜まりやすく、残ったゴミが密閉性低下やトラブルの原因になることがあります。綿棒で丁寧にリセットしていきます。

裏蓋側も同様に清掃。ケース側だけでなく裏蓋側も整えることで、パッキンが均一に効きやすくなり、開閉後の品質が安定します。見えない部分の仕上げが、安心感につながるポイントです。

パッキンには専用シリコングリスを薄く均一になじませます。塗りすぎはゴミを呼び逆効果になりやすいので、適量で仕上げるのがコツ。密閉性をサポートし、長く安心して使える状態へ整えます。

組み戻し後、表示と反応を最終確認して完了です。当店では作業後、今回の工程写真をお見せしながら「どこを確認し、何を整えたか」を分かりやすくご説明します。見えない部分まで丁寧に進めたことが伝わると、不安はぐっと減ります。表示の消え・反応の遅れなどは早めの電池交換が安心ですので、気になる症状があればいつでもご相談ください。