GUCCI / グッチ|神奈川県からのご依頼!3Dプリント治具でスピード電池交換

電池交換が完了し、時刻が合わされたグッチの腕時計。背景にはパルスチェッカーがかすかに見え、時計の液晶日付が「12」にセットされて正常に秒針が動いている様子の写真。
パルスチェッカーで正常な動作を確認し、現在の時刻と日付を合わせてお渡し準備完了!

大切な時計が突然止まってしまったとき、みなさんはどうされていますか?「近くの時計店に持っていけば、すぐに直してもらえるだろう」と思いきや、ブランドやモデルによっては「うちでは対応できない」「長期間の預かりになる」と言われてしまうケースが少なくありません。

今回は、遥々、神奈川県にお住まいのお客様からのご依頼で、スタイリッシュなグッチ(GUCCI)の腕時計の電池交換です。

青い指サックをはめた手で持たれた、グッチのクォーツ式腕時計。鮮やかな赤色のクリア樹脂ケースとシリコンバンド、文字盤には大きくグッチのロゴである「インターロッキングG」がデザインされている時計の画像。
神奈川県のお客様からご依頼いただいた、鮮やかなレッドが印象的なグッチの腕時計。

お預かりしたのは、鮮やかなクリアレッドのケースとシリコンバンドが目を引く、とってもファッショナブルなグッチのクォーツ時計。 お客様が地元の時計店に電池交換を依頼したところ、「しばらくの間お預かりになります」と言われてしまい、具体的な仕上がり時期も分からない状態だったそうです。「愛着のある時計だから、いつ戻るか分からないのは不安……」そんな時にWebサイトの検索で当エファーナを見つけ、信頼を寄せてご依頼いただきました。遠方からのご依頼、本当に嬉しい限りです!

実はこちらの時計、お客様いわく「少し派手な感じがして、しばらくは使わずに眠らせていた」とのこと。そのお言葉を聞いた瞬間、私の頭には少しばかりの不安がよぎりました。

時計を長期間電池切れのまま放置すると、内部で電池の「液漏れ」が発生し、精密な回路を錆びつかせてしまうリスクがあるからです。

開けられたグッチの腕時計の裏蓋と、内部のムーブメント(機械)が露出している写真。時計の赤い樹脂ケースの内側に金色の回路パーツとボタン電池が配置されており、背景には外された金属製の裏蓋が置かれている状態。
専用のヘラを差し込み、慎重に固い裏蓋を開けて内部のムーブメントを細かく観察。

ドキドキしながら、まずは時計を裏返して裏蓋を開ける作業に入ります。このグッチのモデルは裏蓋が非常に固く噛み合っているため、専用のヘラを最適な角度で差し込み、細心の注意を払いながら慎重に蓋を開けていきます。 開けた直後は、何よりもまず「観察」です。ただの電池切れの疑いであっても、液漏れの有無やムーブメント(機械)の状態を厳格にチェックするのがエファーナの鉄則です。幸いなことに液漏れによる大きなダメージは見られず、一安心!

開けられた時計内部のムーブメントのフチ(裏蓋のネジ溝周辺)を、白い綿棒を使って丁寧に拭き掃除している手元の拡大写真。古い電池はすでに取り外されている状態。
古い電池を取り除き、接触端子と裏蓋周辺の蓄積した汚れを綿棒で丁寧にクリーニング。

状態を確認したら、役目を終えた古いボタン電池を取り除きます。その後、まずは新しい電池との電気信号を正常に伝えるために接触端子をお掃除。さらに同時に、裏蓋のフチの周りに蓄積した微細なチリや汚れを、内部のデリケートな機械に侵入させないよう、綿棒を使って隅々まで丁寧・確実によく拭き取っておきます。 このクリーニングを終えて新しい電池をセットすると、すぐさま時計が力強く正常にカチカチと動き始めました!

しかし、ここで終わりではありません。時計の防水性能をしっかりと維持するための、とても大事なメンテナンスが続きます。

青い指サックをはめた手で、黄色い丸型のシリコングリース塗布器(スポンジ)を持ち、その上に丸い黒い防水パッキンが乗せられているクローズアップ写真。背景には「Watchme シリコングリス Silicon Grease」の文字が見えるパッケージ。
防水性能を維持するため、パッキンの状態をチェックした後に専用のシリコングリースを塗布。

次に、裏蓋に張り付いているゴム製の「防水パッキン」の状態を確認します。パッキンに亀裂や硬化などの劣化がないかを細かくチェック。問題がなければ、パッキンの気密性と防水性を引き上げ、ゴムの寿命をグッと延ばすために、専用のシリコングリースを塗布器のスポンジで満遍なく処理(グリスアップ)していきます。

グリーンの作業台の上に置かれた、金属製の丸い裏蓋のフチの隙間や溝を、白い綿棒を使って汚れを優しく拭き取っている手元のクローズアップ写真。
裏蓋のわずかな隙間や外周の溝に詰まった長年の汚れを、綿棒で綺麗にお掃除。

さらに、取り外した裏蓋そのものの隙間や外周の溝にこびりついた汚れも、綿棒を用いて綺麗に除去します。普段は隠れていて見えない場所だからこそ、こうして開けたタイミングで徹底的に美しく整えるのが、プロとしてのこだわりです。

さあ、いよいよ最後の難関、裏蓋を閉じる工程です。この時計は開くのがとっても固かったということは、閉じるのにも凄まじく固い圧入が必要です。人間の手で無理に押し込もうとすると、力が偏ってデリケートなクリア樹脂ケースをパキッと割ってしまう危険があります。

そこで、エファーナならではの秘密兵器が登場します!

金属製の大型裏蓋閉め器(スクリュープレス機)の間に、3Dプリンターで出力された黄色い円形のプラスチック製治具がセットされ、その上に赤いグッチの時計が挟まれて圧入されている写真。機械の前面には「MKS SCREW TYPE PRESSING TOOL FOR WATERPROOF CASE JAPAN」のラベルがある。
開くのが固い裏蓋は、閉じるのも固い。3Dプリントしたカスタム治具を使って均等に圧入。

この時計の複雑な形状に合わせて、私たちが3Dプリンターで独自に設計・出力した「専用治具」です。 このカスタム治具を大型のスクリュープレス機(裏蓋閉め器)の台座にセットし、時計を優しく、かつ完璧にフィットさせます。これにより、ケースに無駄な負荷を一切かけることなく、垂直に均等な力をかけて安全に裏蓋をパチンと圧入することができるのです!最先端の3Dプリンティング技術は、こうした大切な時計を守るための自作工具作りにも大活躍しています。

電池交換が完了し、時刻が合わされたグッチの腕時計。背景にはパルスチェッカーがかすかに見え、時計の液晶日付が「12」にセットされて正常に秒針が動いている様子の写真。
パルスチェッカーで正常な動作を確認し、現在の時刻と日付を合わせてお渡し準備完了!

裏蓋がしっかりと隙間なく閉じられたことを目視で確認し、最後に時計修理専門の「パルスチェッカー」にかけ、ムーブメントから正確な回路のパルス信号が出ているかをチェック。正常動作を確認できました!

仕上げに、現在の正確な時刻とカレンダーの日付をしっかりと合わせ、ピカピカにクロスで拭き上げ すべて整いました。

治具からデザインまで。安心の事例を多数掲載中!

今回は、3Dプリント製カスタム治具を用いた少し特殊で安全なグッチの電池交換事例をご紹介しました。 当エファーナのwebサイトには、時計の電池交換や工具の自作ツールのご紹介はもちろんのこと、「使わなくなったお気に入りの宝石を、3D CADを使って全く新しいデザインの指輪やペンダントへと仕立て直すジュエリーリフォーム事例」など、本当に様々なワクワクする事例を掲載しております。アイテムの垣根を越えた、たくさんの職人技をご覧いただけますので、ぜひご参考になられてくださいね。

「他店で断られてしまった大切な時計がある」「思い出の詰まったアイテムを新しく蘇らせたい」という方は、遠方からでもまずはお気軽にエファーナへご相談ください。最新のテクノロジーと丁寧な手仕事で、皆様の安心と笑顔を全力でサポートいたします!