【ete(エテ)腕時計の電池交換】止まった時計は早めのメンテナンスを!液漏れを防ぐ丁寧な作業プロセス

パルスチェッカー(測定器)の上にeteの腕時計を乗せ、黄色いランプが点灯している様子
目視とパルスチェッカーで正常動作の最終確認

毎日ご愛用されているお気に入りの腕時計。ふと文字盤を見たときに、針が止まってしまっていると「ちとばかし不便……」と感じるものです。「すぐには電池交換へ持っていけないな」と思いつつ、引き出しに眠らせてしまっていませんか?

今回は、ジュエリーブランドとしても人気の高いete(エテ)のレディース腕時計の電池交換をご依頼いただきました。ようやく当方(エファーナ)へとお持ちくださり、大切な時計を長く元気に動かすためのメンテナンスの裏側を、作業工程に沿ってご紹介いたします。

ベージュのトレイの上に置かれた、黒い文字盤とゴールドのケース、黒いレザーベルトのeteの腕時計
止まってしまった状態でお持ち込みいただいたeteの腕時計

なぜ?時計が止まったら「早めの交換」が鉄則な理由

基本として、腕時計が止まってしまったら、やはり「早めの電池交換」が好ましいです。「動かないだけだから、しばらく放っておいても大丈夫だろう」と考えてしまうのは非常に危険…

これまでの数多くの修理事例の中で、私たちは役目を終えた電池が時計の内部で「液漏れ」を起こしてしまっている現象を幾度となく見てきました。すべての時計がすぐに液漏れするわけではありませんが、電池が切れた状態で長期間放置されると、化学反応によって内部の液体が染み出し、精密な電子回路やギアを錆び付かせてしまうのです。

「気付いた時には早めのご依頼」をしてみることが、結果として時計の寿命を縮めず、手遅れになるのを防ぐ最善の方法です。

指サックをつけた指でeteの腕時計を持ち、斜めから文字盤を写した写真
基本、腕時計が止まれば早めの交換が好ましい

まずは丁寧な「ヒヤリング」と状態チェックから

エファーナでお時計をお預かりした際、最初に行うのが丁寧な「ヒヤリング」です。 お客様に、時計がいつ頃止まったのか、そして前回はいつ電池交換をされたのかをお伺いします。

一般的に、クォーツ式(電池式)の腕時計は約2年ほど動いてくれていれば、通常の「電池切れ」の可能性が極めて高いと判断できます。しかし、「前回の交換から数ヶ月しか経っていない」「衝撃を与えてから止まった」などの場合は、電池以外の別の原因(機械の油切れや回路の不具合など)を疑い、原因を深く探っていく必要があります。

eteの腕時計を裏返し、ゴールドの裏蓋に「ete」「WATER RESISTANT 3ATM」と刻印されている様子
裏蓋の刻印や状態を確認し、まずは丁寧なヒヤリングから

裏蓋を開け、内部の「お掃除」と新しい電池への交換

ヒヤリングを終えたら、いよいよ作業デスクで裏蓋を開ける工程に入ります。 eteの腕時計の多くは「こじ開け」と呼ばれるタイプ構造の裏蓋です。専用のヘラ(こじ開け工具)を時計の隙間に慎重に差し込み、ケースを傷つけないよう絶妙な力加減で裏蓋を開きます。

蓋が開いたら、まずは内部をじっくりと観察。 役目を終えた古い電池を取り除きます。その後、裏蓋の周辺やケースの縁についている微細な汚れを、綿棒を巧みに使いながら綺麗にお掃除していきます。内部をクリーンな状態にしてから、新しい電池をセット。すぐさま時計が力強く刻み始めるか、動作確認を行います。今回も無事に動作が確認できました!

裏蓋が開けられたeteの腕時計の内部ベースに、綿棒を当てて掃除している様子
裏蓋を開いて観察し、裏蓋周辺の汚れを綿棒でお掃除

時計の寿命を左右する「パッキン」のメンテナンス

電池を新しくするだけで作業を終えてしまっては、プロのメンテナンスとは言えません。ここからが時計を長持ちさせるための重要なステップ、防水性を保つゴムパッキンのチェックです。

取り外したパッキンの状態を細かく確認します。ゴムが硬化してプチッと切れてしまっていたり、ひび割れていたりすると、そこから汗や雨水が侵入してしまいます。

ピンセットで裏蓋から細い黒いゴムパッキンを取り外している様子
裏蓋についているパッキンの状態確認

さらに、パッキンを取り除いた後の裏蓋の「溝汚れ」も見逃しません。この溝には、長年のご愛用による汗や皮脂が固まって溜まりやすい場所です。ここでも綿棒が大活躍します。細かな溝に沿って汚れを丁寧に拭き取っていきます。

裏蓋の細い溝に沿って綿棒を当てて汚れを拭き取っている様子
パッキンを取り除いた後の溝汚れ。ここも綿棒は大活躍

今回お預かりしたeteのパッキンは、幸いにも弾力があり劣化の問題がありませんでした。そのため、このまま再利用します。ただし、そのまま戻すのではなく、防水・防塵性をより高めるために「シリコングリース」をパッキン全体に薄く均一に塗布します。グリースを塗ったパッキンを、先ほど綺麗に掃除した元の裏蓋の溝へ、弛みがないようしっかりと戻しておきます。

黄色いスポンジの上に置かれた、丸く形を整えられた黒いゴムパッキン
パッキンにシリコングリースを塗り、元の裏蓋溝へ

最後の仕上げ:圧入とパルスチェック

パッキンをセットしたら、裏蓋を閉じます。eteのような気密性の高い時計は、手で押し込むだけではしっかりと閉まらないため、専用の圧入機(インサーター)を使用します。上下から均等にまっすぐプレスすることで、ケースと裏蓋をしっかりと隙間なく閉じることができます。

専用の圧入機(MKS製 PRESSING TOOL)に時計をセットし、裏蓋を閉め込んでいる様子
裏蓋を圧入機にてしっかりと閉じておく

裏蓋が閉まったら、最後の最終確認です。 職人による目視での針の動きチェックはもちろんのこと、「パルスチェッカー」と呼ばれる専用の測定器に時計を乗せます。これにより、目に見えない回路から正常な電気信号が流れているかを数値と音で確実に確認します。

パルスチェッカー(測定器)の上にeteの腕時計を乗せ、黄色いランプが点灯している様子
目視とパルスチェッカーで正常動作の最終確認

すべてのチェックにおいて正常動作を確認できたら、リューズを引いて現在の正確な時刻を合わせていきます。ピタリと時間を合わせたら、これでお客様へお渡しする準備がすべて整いました!

大切な時計の電池交換はエファーナへ

お気に入りのeteの腕時計が、再び元気に時を刻み始めました。これで明日からの毎日も、また安心してお手元で輝いてくれることと思います。

エファーナのWebサイト(ホームページ)内にあるブログでは、eteをはじめ、カルティエやオメガ、高級ブランドからカジュアルウォッチまで、様々な時計修理や電池交換の事例を豊富に掲載しております。

「私の時計も止まっているけれど、直るかしら?」 「お気に入りの時計を一度綺麗にメンテナンスしたい」

そんなお悩みがございましたら、ぜひ過去の事例をご参考になられてください。皆様の大切な思い出が詰まった時計のサポートを、高松市で丁寧に行っております。どうぞお気軽にご相談ください。

現在の時刻を合わせて、これにて作業完了です!