RADO(ラドー)の腕時計が止まってしまったとのことで、電池交換をご依頼いただきました。受付時に外観を確認していると、「あれ…なんだかおかしい」。よく見ると表面ガラス(風防)がわずかにズレている状態でした。念のためお客様へお伺いすると、お客様ご自身もその場で気づかれたご様子。まずは止まりの原因となる電池交換を進め、動作に問題がなければガラス修理へ段階的に進める方針で作業を開始しました。

作業前の全体確認です。ケース・革ベルトの状態、針の動き、リューズ操作感などをチェックし、作業の基準(Before)を記録します。

文字盤アップで状態を確認。ここでガラスの違和感(ズレ・浮き・段差のような見え方)を把握し、作業後に写真でご説明できるよう記録しておきます。

斜め角度からも確認します。ガラスのズレは正面だけでは分かりにくいことがあり、角度を変えることで段差や浮きが見えやすくなります。今回はまず電池交換を優先し、内部に問題がないかも含めて確認していきます。

裏蓋を開け、内部点検へ。湿気や汚れの痕跡、腐食の有無を確認しながら、取り外した裏蓋やネジ類は紛失しないよう管理します。ガラスがズレている場合、衝撃歴や密閉性低下の可能性もあるため、内部状態の確認は特に重要です。

電池を取り外し、新品へ交換します。金属部品が近い箇所は短絡(ショート)に注意し、固定パーツも含めて丁寧に作業。交換後は運針の復帰や基本動作をチェックし、「止まりの原因が電池であるか」を見極めます。

次にパッキン(Oリング)を取り外します。パッキンは密閉性の要で、伸びやキズがあると汗や湿気の影響を受けやすくなります。状態を確認し、必要に応じて交換提案も可能です。

ケース側の当たり面を清掃。ゴミや古い油分が残ったままだと密閉性が落ち、曇りや湿気トラブルにつながることがあります。見えない部分ほど丁寧に整えるのが、安心につながるポイントです。

パッキンには専用シリコングリスを薄く均一になじませます。塗りすぎはゴミを呼び逆効果になりやすいため、適量で仕上げます。ここまでが「電池交換+基本メンテナンス」の重要工程です。

裏蓋側も清掃して密閉面を整えます。ケース側だけでなく裏蓋側も整えることで、パッキンが正しい位置で密着しやすくなり、開閉後の品質が安定します。

電池交換後の動作確認です。運針の安定や反応をチェックし、現時点で大きな問題がないことを確認したうえで、次の段階として「ガラス(風防)のズレ修理」へ進む流れをご提案します。作業後は、今回の工程写真をお見せしながら「どこを確認し、何を整えたか」「ガラスがズレている状態がどの程度か」を分かりやすくご説明。不安を残さない対応を徹底しています。ガラス修理についても、状態を見ながら最適な方法をご案内しますので、安心してお任せください。