「愛用していたカルティエが、いつの間にか止まってしまっていて……」
先日、そんな不安を抱えたお客様がご来店されました。お持ちいただいたのは、世代を超えて愛される名品、カルティエの「タンクフランセーズ」。腕に身に着けている際に、ふと気づくと動いていなかったそうです。
憧れのブランド時計が止まってしまうと、「故障してしまったのではないか?」と心配になりますよね。今回は、そんなお客様の不安を「安心」に変える、エファーナの電池交換メンテナンスの様子をご紹介します。

故障か、それとも電池切れか? 最初の診断
まずはお客様に、最後にお手入れをされた時期を伺います。今回は「約2年前に電池交換をした」とのこと。腕時計の電池寿命は一般的に2年程度ですので、電池切れの可能性が高いと判断しました。
しかし、エファーナでは「ただ電池を入れ替えて終わり」にはいたしません。時計が止まった原因が他にある場合、新しい電池を入れてもすぐに止まってしまったり、内部を傷めてしまったりする可能性があるからです。


裏蓋を開けてわかる「時計の健康状態」
専用の工具で慎重に裏蓋を開き、まずは「しばしの観察」を行います。ここでチェックするのは、以下のポイントです。
- 電池の液漏れ跡はないか?(白い粉のような濁り)
- 入水によるサビや腐食はないか?
- 回路や歯車に目立つ汚れはないか?

幸い、今回お預かりしたカルティエは非常に綺麗な状態でした。しかし、目に見えない微細な汚れが原因で通電が悪くなることもあるため、新しい電池を入れる前に「接触端子」の清掃を徹底します。通電を良くし、電池の性能を最大限に引き出すための欠かせない工程です。
ケース内部の「見えない汚れ」を掃き出す
裏蓋を開けた際、ケースの縁には長年の使用で溜まった微細な塵や皮脂汚れが付着していることがあります。これらが電池交換の際に内部へ入り込むと、後の故障の原因になりかねません。
エファーナでは、綿棒やブロワーを使い、ケース内部や裏蓋を徹底的にクリーニングします。一見、当たり前の作業に見えるかもしれませんが、この「清潔な状態での作業」こそが、時計の寿命を左右するのです。

防水性能を守る、パッキンへのこだわり
動作確認が済んだら、最後の重要な仕上げに入ります。それは「パッキン」のメンテナンスです。
裏蓋に張り付いているゴム製のパッキンは、時計の防水性能を司る要。これが劣化して硬くなったり、ひび割れたりすると、湿気や水が内部に入り込みやすくなります。
パッキンの状態を細かくチェックし、専用のシリコングリースでコーティングを施します。これにより、パッキンの気密性を高め、柔軟性を維持させることができるのです。



最終チェック:現時刻を合わせて完了
すべてのクリーニングとメンテナンスが完了し、しっかりと裏蓋を閉じます。最後にブロワーで表面の埃を飛ばし、現時刻を正確に合わせてお客様へお返しします。

「あぁ、良かった!また動き出しましたね」
お客様のホッとした笑顔を拝見できるのが、私たちにとって何よりの喜びです。
カルティエのような高級時計は、適切なメンテナンスさえ行えば一生使い続けることができる素晴らしい財産です。「電池が切れただけかも?」と思っても、それは時計が「一度点検してほしい」と出しているサインかもしれません。
大切なお気に入りの時計だからこそ、安心してお任せいただけるエファーナへぜひご相談ください。一歩先のメンテナンスで、あなたの時計が刻む時をより確かなものにいたします。