しばらく止まっていたという「ダニエルウェリントン(Daniel Wellington)」の電池交換と、当店こだわりの安心メンテナンスの様子を優しくご紹介します。
1. 大切な時計をお預かりして準備を始めます
本日お預かりしたのは、シンプルで洗練されたデザインが素敵なダニエルウェリントンの電池式腕時計です。

しばらく止まったままになっていたとのことですが、外見はとても綺麗。これから再び時を刻めるように、心を込めて作業を始めていきます。
まずは、時計の心臓部へアクセスするために裏蓋を開ける準備をします。

このモデルは、カジュアルで使いやすい通しベルトが装着されています。裏蓋をしっかりと確認して安全に作業を行うため、まずはこのベルトを優しく取り外すことからスタート。
2. 時計にストレスを与えない、慎重な一手間
ベルトが外れたら、いよいよ裏蓋を開ける工程です。実は、ここが職人の腕の見せ所であり、とても緊張する瞬間でもあります。

ダニエルウェリントンの時計は、文字盤の大きさに比べて裏蓋が少し小さめに作られているのが特徴です。このような構造の裏蓋を開けるとき、工具の力加減によっては「バチンっ!」と強い衝撃が時計本体に伝わってしまうことが稀にあります。
その急な衝撃が原因で、文字盤にある時間を示す小さなパーツ(インデックス)がポロッと取れてしまうトラブルが起きることもあるのです。そのため、当店では時計に余計な負担や衝撃を一切与えないよう、細心の注意を払いながら、慎重に、ゆっくりと裏蓋を開けていきます。
3. 見えないところまで綺麗に。こだわりのクリーニング
無事に裏蓋が開いたら、古い電池を取り除き、内部のメンテナンスに移ります。

これまで頑張ってくれた古い電池を優しく取り外します。そして、新しい電池を入れる前に、裏蓋とケースが合わさっていたフチの部分に溜まった微細な汚れを綺麗に拭き取ります。さらに、新しい電池がしっかりと電力を供給できるように、電気の通り道である「接触端子」も拭き上げておきます。
続いて、時計を湿気や埃から守ってくれる大切な部品「ゴムパッキン」の状態をチェックします。

パッキンがひび割れていたり、平らにつぶれて固くなったりしていないか、じっくりと顕微鏡やルーペで確認します。
もちろん、取り外した裏蓋そのもののお掃除も忘れません。

ここでも細かな作業にぴったりな綿棒が大活躍します。普段は見えない裏蓋の内側や、パッキンが収まる細い溝に隠れた汚れを優しく丁寧に取り除いていきます。こうして見えない部分をクリアにすることが、時計の寿命を延ばす秘訣です。
お掃除が終わったら、パッキンの防水性能を保つための仕上げを行います。

パッキンに専用の「シリコングリース」を薄く均一に塗る処理(グリスアップ)を施します。これにより、ゴムのしなやかさが戻り、時計の気密性がぐっと高まって、汗や日常の水滴から内部の機械を守ってくれるようになります。
4. 繊細な「動き」のチェックと、二重の安心確認
新しい電池をセットしたら、いよいよ時計が動いているかどうかの確認です。

今回のモデルは、チクタクと進む「秒針」がない、すっきりとした2針(時針と分針のみ)のデザインです。秒針がない時計は、パッと見ただけでは動いているかどうかが分かりづらいため、ルーペ(拡大鏡)を使って、正確に動いているかをじっとのぞき込んで確認します。
さらに当店では、目視だけでなく、「パルスチェッカー」という専用の機械も使用します。時計から発せられる微弱な電子信号(パルス)をキャッチすることで、機械が正常に動いているかを二重にチェック。これによって、より確実な安心をお届けしています。
5. メンテナンス完了!再びお客様の元へ
すべてのチェックがクリアできたら、いよいよ仕上げです。

裏蓋を傷をつけないようにしっかりと閉め、取り外していた通しベルトを元の通り綺麗に装着。最後に、現在の正確な時刻へと時間を合わせて、すべての電池交換と安心メンテナンスが完了です!
眠っていたダニエルウェリントンが、これでまた毎日のお出かけに寄り添ってくれる素敵な相棒へとよみがえりました。
当店では、ただ電池を入れ替えるだけでなく、大切な時計がこれからも長く元気でいられるように、1つひとつの工程にたくさんの「やさしさとこだわり」を詰め込んで作業しています。 「最近使っていないな」という時計をお持ちの方は、ぜひお気軽に当店へご相談くださいね。