Hermes / エルメスお昼休みにお預かりして夕方お渡し。。受付はいつでも気軽にどうぞ!

裏蓋の4本のネジがしっかりと締められ現在の正しい時刻に合わせられたエルメスの時計ケース
裏蓋のネジを均等にしっかりと締め、現在の正確な時刻へと時間を合わせます。

毎日のお仕事やプライベートに彩りを添えてくれる、お気に入りの腕時計。 しかし突然止まってしまったら、

本日ご紹介するのは、お仕事中のお昼休みという限られたお時間の中に「動かなくなってしまって」とお持ち込みいただいた、エルメス(HERMES)の腕時計の電池交換とメンテナンスです。

当店では、お買い物やお仕事の合間にお預かりし、丁寧かつ確実な作業で、大切な時計を再び元気に蘇らせます。

1. お昼休みにお預かりした、エルメスの腕時計

今回お客様がお店にお持ちくださったのは、スクエアのケースが目を惹くエルメスの腕時計です。

お仕事中のお昼休みに電池交換で持ち込まれた、上品なエルメスの二重巻きロングベルトの腕時計
お仕事中のお昼休みに電池交換で持ち込まれた、上品なエルメスの二重巻きロングベルトの腕時計

文字盤の美しさはもちろんのこと、何と言っても目を引くのが、腕にグルグルと二重に巻きつけるスタイリッシュなロングベルト(ドゥブルトゥール)。非常にファッショナブルで素敵ですが、時計が止まったままではせっかくの気分も沈んでしまいますよね。

さっそく、お仕事が終わる夕方までにお渡しできるよう、迅速かつ慎重に作業を進めてまいります。

電池交換作業のために本体ケースから丁寧に取り外されたエルメスの長いレザーベルト
確実な作業スペースを確保するため、まずは特徴的なロングベルトを一度取り外します。

この二重巻きロングベルトは非常にデリケートなレザーで作られています。ベルトがついたまま作業を行うと、ケースを傷つけたり、レザーに無理な負荷がかかったり、確実な作業の妨げになったりすることがあります。 そのため、当店ではまず最初に、この特徴的なロングベルトを一度本体ケースから丁寧に取り外して、安全な作業スペースを確保します。

2. 4点ネジ留め裏蓋の開封と、緻密な内部観察

ベルトが外れたら、時計の心臓部を守っている裏蓋を開ける工程に移ります。

4本のネジが緩められて裏蓋が開けられ、古い電池が取り除かれたエルメスの時計の内部
4点留めの裏蓋のネジを対角線上に緩めて開封。役目を終えた電池を取り外します。

このエルメスのモデルは、裏蓋が4箇所のネジでしっかりと固定されているタイプです。ネジを外す際も、一箇所だけに無理な力がかからないよう、対角線上に少しずつ慎重に緩めていきます。

裏蓋を開いたら、まずは内部の機械(ムーブメント)に液漏れや錆がないかをしばし観察・点検します。状態が良好であることを確認した上で、役目を終えた古い電池を優しく取り除きます。

3. 防水性を守るパッキンの徹底メンテナンス

時計を毎日安心して使い続けるために、電池交換と同じくらい重要なのが「防水対策」です。

時計の内部に汗や水分、埃が侵入するのを防いでくれているのが、この細いゴム製の「パッキン」です。状態を正確にチェックするため、一度本体の溝から優しく剥がして確認を行います。

状態チェックのためにピンセットで時計本体の溝から優しく剥がされる細いゴムパッキン
防水の要となるゴムパッキンを、状態チェックのために一度本体から剥がします。
防水性と気密性を蘇らせるためにシリコングリース処理を施しているゴムパッキン
パッキンのしなやかさを保ち、防水性を高めるためのシリコングリース処理。

幸いにもパッキンに大きな劣化は見られなかったため、今回は再利用のための「シリコングリース処理(グリスアップ)」を施します。専用のグリースをパッキン全体に馴染ませることで、ゴムのしなやかさと高い気密性がよみがえり、時計の防水性能を長持ちさせることができます。

4. 見えない汚れを見逃さない!職人のこだわり清掃

パッキンのお手入れと同時に行いたいのが、ケース周りのクリーニングです。

実は、本体ケース側の「パッキンがはまっていた跡(溝)」は、毎日の使用による汗や皮脂、微細なチリが非常に溜まりやすい部分です。ここを汚れたままにしておくと、いくらパッキンをお手入れしても隙間ができてしまい、防水性が落ちる原因になります。道具を使って、溜まった汚れをスッキリとかき出していきます。

汚れや皮脂が溜まりやすい時計ケースのパッキン溝を丁寧に清掃している様子
意外にも汚れや汗が溜まりやすい、本体ケースのパッキン跡もしっかりクリーニング。
綿棒を使ってエルメスのロゴが刻まれた金属製の裏蓋の内側を綺麗に掃除する様子
裏蓋部分の細かな溝やフチも、綿棒を細かく使ってピカピカにお掃除。

取り外した金属製の裏蓋も同様です。ここでも細かなクリーニングに適した綿棒が大活躍します。裏蓋の内側やネジ穴の周辺など、普段は絶対に目に見えない部分までピカピカにお掃除をして、清潔な状態に戻していきます。

5. 新しい電池のセットと、二重の動作確認

細部の清掃が完了したら、新しい電池をムーブメントへ綺麗にセットします。

新しい電池をセットしパルスチェッカー(測定器)に乗せて正常動作を確認している様子
新しい電池へ交換した後は、パルスチェッカーを使って機械の正常動作を二重確認。

電池を入れたら、すぐに裏蓋を閉めるのではなく、当店の専門設備である「パルスチェッカー(回路測定器)」の上に時計を乗せます。 時計から発せられる微弱な電子信号を機械的に測定することで、クォーツ回路が1秒1秒正しく動いているかを数値で二重確認します。これにより、「電池を換えたけれど、実は機械自体に不具合があった」という見落としを防ぎ、確実な安心をお届けできるのです。

6. 組み上げ、そして美しき完成へ

動作確認がしっかりと取れたら、いよいよ最終の組み立て段階です。

お掃除した裏蓋をケースに合わせ、4本のネジを再び均等かつ強固に締め込んで密閉します。その後、竜頭(りゅうず)を操作して、現在の正確な時刻へと時間を合わせます。

本体ケースのメンテナンスがすべて終わったら、最初に外しておいた大切なロングベルトを元通りに取り付けます。

裏蓋の4本のネジがしっかりと締められ現在の正しい時刻に合わせられたエルメスの時計ケース
裏蓋のネジを均等にしっかりと締め、現在の正確な時刻へと時間を合わせます。
元の美しい二重巻きロングベルトが再び装着され電池交換が完了したエルメスの腕時計
元の華やかなロングベルトを再び取り付け、組み立てを進めます。
12時位置と6時位置のレザーストラップが完全に固定され、引き渡し準備が整ったエルメスの二重巻き腕時計
12時位置、6時位置のベルトを確実に固定し、お客様へ完成のご連絡を差し上げます。

12時位置、6時位置のベルト固定部分を緩みがないよう確実に取り付け、エルメス本来の美しいスタイリングが完璧に復活いたしました!これでお客様へ完成のご連絡を差し上げる準備がすべて整いました。

7. お仕事帰りに、お受け取り

お昼休みにお預かりした大切な時計は、お仕事が終わる夕方には、リフレッシュされた状態で再びお客様の腕元へと戻っていきました。

当店では、エルメスをはじめとするハイブランドの腕時計も、時計の構造や特性を熟知した職人が、一つひとつの工程に妥協せず丁寧に対応いたします。ただ電池を交換するだけでなく、内部の点検、細部の清掃、パッキンのグリスアップまでをセットで行うため、安心感が違います。

「大切な時計だから、信頼できるお店に預けたい」 「仕事の合間にサクッと綺麗に直してほしい」

そんなときは、ぜひ当店へお気軽にご相談ください。あなたの大切な時間を刻む相棒を、心を込めてメンテナンスいたします。