ナイロンベルトがブカブカ?一発勝負の熱融着(ヒートカット)穴あけ技術|エルメス / Apple Watch

新しく開けた穴にエルメス純正の美錠(バックル)のつく棒を通した状態
尾錠のつく棒を通し、穴の大きさや通りのスムーズさをしっかりチェック。

「エルメスのApple Watch用ナイロンベルトを買ったけれど、一番細い穴にしても手首に合わずブカブカで……」

そんなお困りのご相談が、都内にお住まいのお客様から届きました。エファーナのWebサイトに掲載している過去の加工事例をご覧になり、郵送にて大切なベルトをお送りくださったのです。

都内から郵送で届いたエルメスのナイロンベルトと参考用サンプルベルト
Webサイト事例をご覧いただき、都内から配送でお送りいただいた依頼品。

エルメス(HERMÈS)をはじめとする高級ブランドのベルトは、デザインも質感も格別です。しかし、手首の細い方にとっては「一番端の穴を使っても緩い」というケースが少なくありません。

画像と数値でズレを防ぐ「入念な事前打ち合わせ」

遠方からのご依頼だからこそ、お客様との意思疎通が最も重要になります。エファーナでは公式LINEアカウントを活用し、細かなご希望サイズや仕上がりイメージを画像つきで確認していきます。

サンプルベルトとエルメスナイロンベルトを並べ穴の位置関係を確認する様子
LINEで細かくお打ち合わせを行い、ご希望の最小サイズ位置を確認します。

今回は、お客様が日頃ジャストサイズで着用されている「白の純正シリコンベルト」を一緒にお預かりしました。このサンプルベルトの一番短い穴と同じ位置に、エルメスのナイロンベルトへ穴を追加していきます。

定規とポインターを使いサンプルベルトの小穴位置をナイロン上へ投影する作業
サンプルの最も短い穴の位置に合わせて、何度もミリ単位で位置合わせ。
定規をあてながらナイロンストラップ上に穴あけ用の目印をマーキングする様子
ズレが絶対に許されないため、ミリ単位の目印付けを確実に行います。

ミリ単位のズレも許されないため、定規をあてて何度も位置決めとマーキングを繰り返します。

革とは違う。ナイロン素材特有の「ヒートカット(熱融着)技術」

一般的なレザーベルトであればポンチと呼ばれる工具で打ち抜きますが、ナイロン製の編み込みベルトはそのまま刃物を入れると糸がほつれてズタズタになってしまいます。

そこで施すのが、熱を使って糸を溶かし固める「ヒートカット(熱融着)処理」です。

火で赤く加熱した金属針を使いナイロン穴あけの準備をする様子
経験と感覚が頼りの「ヒートカット(熱融着)」。一発勝負の作業に入ります。

ここからはやり直しのきかない一発勝負。長年培ってきた経験をもとに、熱する温度、差し込む角度や速度を見極めます。温度が低すぎれば穴があかず、高すぎれば周囲の生地まで焦げてしまうため、集中力を研ぎ澄ませて作業に臨みます。

熱したピンでナイロンベルトへ狙い通りの小穴をあけた直後の状態
緊張の一瞬。寸分の狂いもなく狙い通りのポイントへ穴があきました。

「ジッ」という微かな音とともに、綺麗な円形の穴が開口しました。

肌触りと美しさを兼ね備えた「完璧な仕上げ」

穴があいたら、尾錠(バックル)のつく棒を実際に通して調整します。

新しく開けた穴にエルメス純正の美錠(バックル)のつく棒を通した状態
尾錠のつく棒を通し、穴の大きさや通りのスムーズさをしっかりチェック。
穴あけ加工を施したエルメスナイロンベルトの裏側表面
裏側の仕上がりも確認。皮膚に当たる部分だからこそ滑らかに仕上げます。

通し心地がスムーズであることはもちろん、肌に直接触れる裏側の融着面がチクチクしないよう、角を丸く滑らかに整えます。

拡大撮影したヒートカット(熱融着)完了後の表側小穴部分
ヒートカット(熱融着)処理の表側。編み目のほつれなく綺麗な円形に。
拡大撮影したヒートカット(熱融着)完了後の裏側小穴部分
ヒートカット処理の裏側。耐久性と美しさを両立させた穴あけの完成です。

拡大して確認しても、周囲の繊維がしっかりと溶け合って固定されており、純正穴と並べても違和感のない美しさに仕上がりました。

「気に入って買ったのにサイズが合わなくて使えない」

「他店で断られてしまった」

そんなブカブカのベルトでお悩みの方は、ぜひ一度エファーナへご相談ください。大切な時計やベルトを諦める前に、職人の技術であなたにぴったりのジャストサイズへお仕立ていたします。