CITIZEN / RAINELL|通販で購入した腕時計、手首にジャストフィットするベルト微調整

6コマ取り外したシチズンの腕時計を着用し手首を回してサイズ感を確認しているフィッティングの様子
6コマ取り外し後のフィッティング。手首を回していただき、小指1本が入る丁度良いゆとりを確かめ、時刻を合わせます。

ネットショップの普及により、いつでもどこでもお気に入りの腕時計を購入できるようになりました。しかし、手元に届いていざ腕に着けてみると「サイズが大きすぎてブカブカ……」「自分で調整しようと思ったけれど、道具もないし方法がわからない」と困ってしまった経験はありませんか?

メタルバンドの腕時計は、ただ小さくすれば良いというわけではありません。文字盤が手首の真ん中に美しく収まるように調整するには、見極めが必要です。

今回は、新調されたばかりのシチズン(CITIZEN)の腕時計“RAINELL”(レイネル)のベルト調整(コマ詰め)をご依頼いただきましたので、その作業の裏側をご紹介いたします。

ご来店時の状態チェックとカウンセリング

お客様が大切に持ってきてくださったのは、新しいシチズン“RAINELL”。メタルバンドが魅力的なモデルですが、お預かりして腕に合わせてみると、やはりかなりのゆとりがあり、手首で時計がぐるぐると回ってしまう状態でした。

ネットショップで購入された新品のシチズン腕時計“RAINELL”が手首で大きくブカブカになっている様子
ネットショップから届いたばかりのシチズン“RAINELL”。サイズが大きく手首で浮いてしまっています。

最近はネットショップで腕時計を新調される方が非常に増えていますが、出荷時は基本的に一番長い状態で届くため、多くの方がこのように「ブカブカ」という問題に直面します。「せっかく届いたのにこれでは着けて出かけられない」と、調整方法を調べてみたものの、専用の道具が必要だったり構造が複雑だったりして、当店の門を叩いてくださるケースが多々あります。

大切な新しいお時計だからこそ、無理をして傷をつけてしまう前にお任せいただくのが一番安心です。さっそく、お客様の手首に合わせた最適なフィッティングを行っていきます。

現状のサイズ確認と取り外しコマ数の決定

腕時計のベルト調整において最も重要なのが、パーツを取り外す際の前後の「バランス」です。まずは現状のサイズを正確に確認するため、一度お客様の腕に時計を通させていただきます。

手首に合わせて時計のベルトのバランスを見ながら取り外すコマ数を検討している様子
手首の形状と文字盤の位置を確認し、12時側・6時側からそれぞれ3コマずつ外す計画を立てます。

手首の骨の位置や形状、そしてお客様の普段の着け心地の好みを細かくヒアリングしながら、全体のバランスを美しく保つための計算を行います。メタルバンドの時計は、バックル(留め具)の位置が手首の真下にきれいに収まることで、文字盤がズレにくくなり、最高の装着感が生まれます。

お客様の腕に合わせて計測した結果、今回は時計の12時側から3コマ、6時側から3コマの、合計6コマを取り外す方針を決定しました。左右均等に減らすことで、歪みのない美しいシルエットに仕上げることができます。

専用工具を用いた慎重なピン抜き作業

方針が決まったら、いよいよ作業用デスクにて実際の調整作業に入ります。シチズン“RAINELL”のメタルバンドは、精密なピンによってコマ同士が強固に繋がれています。

時計修理用の専用工具を使いメタルバンドのサイドから慎重にピンを抜いている作業風景
専用の工具と固定ブロックを使い、バンドのサイドから繋ぎのピンを慎重に抜き取ります。

メタルバンドの調整は一見シンプルに見えますが、実は非常に繊細なコントロールが求められます。時計にわずかな傷もつけないよう、時計修理専用の固定ブロックとピン抜き工具を用い、サイドから慎重にピンを抜いていきます。

無理な力をかけるとピンが曲がって再利用できなくなったり、大切な新しいケースやバンドを傷つけてしまったりするため、手先の感覚を研ぎ澄ませながら、一本ずつ確実に抜き去ります。ピンを抜いた後は、3コマづつを丁寧に取り外し、再びバンドを一本の綺麗な状態へと繋ぎ合わせ、側面がフラットになるまでピンをしっかりと押し込み固定します。

コマの取り外し完了と最終フィッティング・時刻合わせ

全体の結合がすべて完了し、予定通り6コマの取り外しが完了しました。ここで再び、お客様に時計を腕に着けていただきます。

6コマ取り外したシチズンの腕時計を着用し手首を回してサイズ感を確認しているフィッティングの様子
6コマ取り外し後のフィッティング。手首を回していただき、小指1本が入る丁度良いゆとりを確かめ、時刻を合わせます。

きつすぎないか、ゆるすぎないかを確認するため、手首をグルグルと回していただきながら実際の感覚を見ていきます。日常の動作の中で時計がどう動くか、肌触りに違和感がないかを確認するこのステップは、完璧なフィッティングに欠かせません。

腕時計の理想的なサイズ感は、「バックルと手首の間に小指1本が入るくらいのゆとり」です。これより緩いと文字盤が回ってぶつかりやすくなり、きついと汗をかく季節に圧迫感や痒みの原因になってしまいます。今回も小指が綺麗に収まる絶妙なサイズ感に仕上がり、お客様からも「ぴったり!」と笑顔をいただきました。

最後にリューズを操作し、現在の正確な時刻と日付をしっかりと合わせて、すべての作業が完了です!

なお、今回取り外した6つのコマとピンは、将来的に体型が変化した際や、他の方に譲られる際に必要となる大切なパーツですので、専用の袋にまとめてお客様にお渡しいたしました。

ネットショップで購入した時計のサイズでお悩みの方は、ぜひ我慢して使い続けたり、無理に自分で調整しようとせず、当店にお気軽にご相談ください。エファーナのWebサイトにも、様々なブランド時計の修理やメンテナンス、カスタムの事例を豊富に掲載しておりますので、ぜひご参考になさってくださいね。お客様の大切なお時計を、長く快適に愛用できるよう丁寧にお手伝いいたします。