「お気に入りの腕時計を、うっかり洋服のポケットに入れたまま洗濯機まわしてしまった……!」
そんな背筋が凍るようなアクシデントは、誰の身にも突然起こり得るものです。洗濯機の中は、激しい水流に加えて洗剤の成分や強い圧力がかかるため、腕時計にとっては日常生活の雨や手洗いとは比較にならないほど過酷で致命的な「水没環境」となります。
今回は、そんな絶望的な状況から当店に持ち込まれた、カシオ(CASIO)のレディースメタルウォッチ「SHEEN(シーン)」の入水救助をお届けします。
1. 絶望的な入水状態と、立ちはだかる「裏蓋」の壁
まずはお預かりした直後の時計の状態をご覧ください。

一刻を争う至急の修理案件ですが、時計の構造を確認すると一つの大きな壁に突き当たりました。

2. 開放とムーブメントの保護、そして現れた浸水の実態
特殊工具を用いて慎重に裏蓋を開き、いよいよ時計の内部へ。

電子回路のショートを防ぐため、迅速に基板側の乾燥処置を行いながら、ケース側の状態も確認します。

3. 微細な拭き取りと防水処理
ここからは、残った水分を職人の手作業で徹底的に取り除いていきます。

水分を完全に除去した後は、今後の使用に備えて各部のメンテナンスと防水対策を施します。

次に、ケースと裏蓋を密閉する大元のパッキンもケアします。

パッキンが接する金属側の受け口も、見逃さずにクリーニングします。

4. 数日間の乾燥を経て、運命の動作確認へ
すべてのパーツの拭き取りと処理が終わった後、目に見えないミクロの湿気を完全に追い出すため、数日間にわたり慎重に乾燥期間を設けます。そしていよいよ、元のケースへと組み直して動作確認を行います。

そして、ついに運命の瞬間が!

時計の「水没」はスピードが命!諦めずにご相談ください
今回のような洗濯機への誤投入や、プール、海水浴での水没トラブルは、内部の水分が電子基板を腐食させる「時間との戦い」になります。「メーカー修理に出すと時間がかかりすぎる」「古いモデルや特殊構造で断られてしまった」という場合でも、諦める必要はありません。
大切な思い出の詰まったお気に入りの時計が水を吸って真っ白になってしまったら、触らず、乾かそうと振ったりせず、そのまま急いで当店の技術者の元へお持ち込みください。
一刻も早い適切な「入水救助処置」を行うことで、今回のようにお客様の大切なパートナーを再び力強く動かすことができるかもしれません。お困りの際は、いつでもお気軽にご相談くださいね!