TAG Heuer / タグホイヤー|気密性を守り抜く!電池交換・防水パッキンメンテナンス

電池交換とすべてのメンテナンスが完了し、正常に動き出したタグホイヤーの腕時計。青い指サックをはめた手で優しく持たれており、背景にはパルスチェッカーや赤い持ち手のブラシが写っている写真。
裏蓋を閉じた後は、パルスチェッカーで正常動作を確認。現在の時刻を合わせて完了です!

アクティブな日常に寄り添うスポーツウォッチとして、また洗練されたビジネスパートナーとして世界中で愛されている「タグホイヤー(TAG Heuer)」。特にゴールドのコンビカラーが美しいクラシックなモデルは、人生の様々なシーンを共に歩んできた大切な宝物としてお持ち込みいただくことが多い時計です。

本日は、店頭にお持ち込みいただいたタグホイヤー・プロフェッショナルの電池交換を通じて、エファーナが何よりも大切にしている「時計の寿命を延ばすためのこだわり工程」をご紹介。

青い指サックをはめた手で持たれた、タグホイヤー(TAG Heuer)プロフェッショナル200のクォーツ式腕時計。ゴールドの文字盤にメルセデス針、3時位置に拡大レンズ付きの日付窓が配置され、ステンレスとゴールドのコンビカラーベゼルが特徴的な時計の画像。
お持ち込みいただいた時点では完全に秒針が止まってしまっていた、タグホイヤーのコンビモデル。

お客様がお持ちくださったときには、既に完全に針が止まってしまっていたこちらのタグホイヤー。 ゴールドの文字盤とコンビカラーのベゼルが絶妙な気品を醸し出しています。特に落としたりぶつけたりした記憶はないとのことで、通常の電池切れを想定してお預かりです。

さあ、お客様とのヒアリングのもと、時計の状態をしっかり共有させていただいた後は、早速裏蓋の構造を確認して開いていきましょう!

青い指サックをはめた手で横向きに支えられたタグホイヤーの腕時計。ねじ込み式リューズが飛び出しており、裏蓋にはタグホイヤーのロゴマークが刻印されているスクリューバック構造の画像。
お客様とのヒアリングを終え、裏蓋の噛み合わせやねじ込み式リューズの構造をチェック。

時計を裏返すと、ねじ込み式のリューズと頑丈なケースが姿を現します。このモデルは200m防水(200 METERS)を誇る本格的なダイバーズ仕様のため、裏蓋もネジのように回転させて締め込む頑丈な「スクリューバック構造」になっています。高い防水性と気密性を守る強固な作りだからこそ、開閉には繊細な手仕事が求められます。

専用のオープナーをしっかりと噛み合わせ、時計ケースに傷がつかないよう慎重に裏蓋を緩めていきます。

開けられたタグホイヤーのケース内部。青い電子回路基板と金色のパーツで構成されたクォーツムーブメントが露出しており、右側には取り外された丸い裏蓋が置かれている写真。
専用工具でスクリューバックを開封し、役目を終えた古い電池を取り外して内部を観察。

スクリューバックの裏蓋が心地よい手応えとともに開いた後は、中に収められている役目を終えた古い電池を取り除き、内部のムーブメント(機械)をしばし観察します。ここに液漏れや湿気の侵入による錆がないかを確かめることが、時計修理の第一歩です。幸いにも内部は非常に綺麗な状態を保っていました!

内部の状態を確認したら、すぐに新しい電池を入れる……のではなく、ここからエファーナならではの「防水性を維持するための重要な工程」へと進みます。

開いた時計ケースの内部。空になった丸い電池スペースの近くで、ピンセットを使って黒い細い輪ゴム状の防水パッキンを優しく持ち上げて取り外している手元の拡大写真。
高い防水性を維持するための要。裏蓋に密着していた防水パッキンの状態を確認。

次に、ケースと裏蓋の気密性を保っている細い輪ゴムのような黒い「防水パッキン」の状態確認を行います。ピンセットで優しく持ち上げて取り外し、ゴムが経年劣化で伸びてしまっていないか、弾力性が失われて硬化していないかを細かくチェックします。

パッキンを取り外したら、ここからがこだわりのクリーニング。

青い電子回路基板のムーブメントのフチ(ケースのネジ溝部分)を、白い綿棒を使って優しくなぞるように拭き掃除している職人の手元の拡大写真。
通電をスムーズにする接触端子のお掃除と、ケースのフチに溜まった汚れの拭き取り。

まずは、新しい電池からの電流がスムーズに流れるように、電池の接触端子を丁寧にクリーニングします。 それと同時に極めて重要なのが、裏蓋周辺(ケースのフチやネジ溝)の拭き掃除です。時計を長年着用していると、裏蓋の隙間には目に見えない微細な塵や皮脂汚れがどうしても蓄積してしまいます。これらを開けた拍子にデリケートな機械内部へ絶対に入れないよう、白い綿棒を使って優しく、かつ徹底的に先回りでよく拭きとっておきます。

この丁寧な防塵処理を行ってから新しい電池を入れ替えたところ、すぐさま時計は正常動作を始め、カチカチと美しい動きが戻ってくれました!

時計が動いたことを確認したら、先ほど取り外したパッキン自体のケアを行います。

黄色い丸型のパッキン専用グリース塗布器(スポンジ)の上に、黒い防水ゴムパッキンが円形にセットされ、シリコングリースを均一に馴染ませているクローズアップ写真。背景にはグリースのパッケージが見えている。
パッキンのチェックが終わったら、専用のシリコングリースを馴染ませて柔軟性を復活。

パッキンの状態チェックをクリアした後は、専用のシリコングリース処理を行います。特殊なスポンジにグリースを染み込ませた塗布器の中にパッキンを挟み、全体に均一な潤いを与えていきます。このグリスアップを施すことで、ゴムの乾燥を防いで弾力性を保ち、裏蓋を締め込む際の摩擦による破れを防ぎつつ、高い気密性を復活させます。

パッキンを潤わせている間に、もう一箇所のお掃除も忘れません。

外された金属製の丸い裏蓋の内部。外周にある防水パッキンが収まる細い溝のフチを、白い綿棒を使って細やかに拭き掃除し、汚れを取り除いている手元のクローズアップ写真。
見えない隙間に潜む汚れを見逃さない。裏蓋の細い溝を綿棒で徹底的にお掃除。

それがこちらの、裏蓋の隙間の汚れお掃除です。取り外した裏蓋側の外周にある細い溝にも、長年の汚れや汗の結晶が溜まりやすいのです。ここに汚れが残ったままだと、どんなに良いパッキンを使ってもわずかな隙間が生まれて防水性がガタ落ちしてしまいます。綿棒の先端を使って、溝の奥までピカピカにクリーニングを施します。

グリスアップされた黒い防水パッキンが、時計ケースの裏側のフチ(溝)へとヨレることなく美しく円形に嵌め込まれ、固定されている状態のムーブメント写真。
ケース裏側の溝へ防水パッキンを美しく嵌め込み、ズレがないか固定状態を確認。

全てのクリーニングが終わったら、グリスアップを終えた防水パッキンを時計ケース裏側の溝へと戻します。ヨレやたるみがなく、しっかりとケース裏側の溝へ綺麗に嵌め込まれ、固定されていることを入念に確認します。この美しい収まりを確認した上で、裏蓋を元通りにキチッと閉じていきます。

電池交換とすべてのメンテナンスが完了し、正常に動き出したタグホイヤーの腕時計。青い指サックをはめた手で優しく持たれており、背景にはパルスチェッカーや赤い持ち手のブラシが写っている写真。
裏蓋を閉じた後は、パルスチェッカーで正常動作を確認。現在の時刻を合わせて完了です!

裏蓋を適切なトルクで完全に閉じた後は、時計修理専用の「パルスチェッカー」に時計を乗せ、内部の回路から正確な信号が発信されているか、正常動作の確認をしっかりと行います。

その後は、現在の正確な時刻と日付のカレンダーをピシッと合わせて、ピカピカにクロスで拭き上げ、お客様への大切なお渡し準備を整えて行きます。

🔧大切な時計に安心を。エファーナのWebサイトをチェック!

今回はタグホイヤーのスポーツウォッチにおける、細部まで心を込めた電池交換・防水メンテナンス事例をご紹介しました。 当エファーナのwebサイトには、こうした時計の電池交換や本格的な修理はもちろんのこと、「使わなくなったジュエリーからお気に入りの宝石を取り外し、3D CADデザインを用いて世界に一つの新しい指輪やペンダントへと仕立て直すジュエリーリフォーム事例」など、本当に様々なワクワクする事例をたくさん掲載しております。大切な宝物を新しく蘇らせる職人技がたくさん詰まっていますので、ぜひご参考になられてくださいね。

「大切な時計だからこそ、細部までしっかり見てほしい」「止まったまま眠っている時計をもう一度安心して身に着けたい」という方は、いつでもお気軽にエファーナまでご相談ください。皆様の安心と笑顔のために、一つひとつの工程を明確に、心を込めてお手伝いいたします!