FENDI / フェンディ|久しぶりに使うと動かない?腕時計の電池交換安心メンテナンスの全工程

パルスチェッカーの上に置かれ、電子回路の信号を計測して正常動作が確認されたフェンディの腕時計。
裏蓋をしっかり閉じた後、目視とパルスチェッカーによるダブルチェックで完全復活。

イタリアの気品あふれるラグジュアリーブランド「フェンディ(FENDI)」。洗練されたデザインで日常使いから特別なお出かけまで、手元を華やかに彩ってくれる素敵なアイテム…。

しかし、「久々に使おうとしたら、針が動いていないことに気づいた……」と。そのようなお困りごとのなかでWebサイトを検索され、当エファーナに辿り着き、大切な時計をお持ち込みくださいました。

再び正確な時を刻んでもらうため、一工程ずつ丁寧に進める安心のメンテナンス模様をお届けします。

1. お預かりしたスクエア型のフェンディ腕時計

こちらが今回お預かりした、シックなブラック文字盤とシャープなステンレスブレスレットが美しいフェンディの腕時計です。

お出かけを前に止まってしまった状態を確認し、まずは外観のチェックを行ってから、傷をつけないよう指サックを着用して慎重に作業の準備を整えます。

黒い文字盤に「FENDI」のロゴが配されたスクエア型の腕時計の外観。
今回電池交換をご依頼いただいた、スタイリッシュなフェンディの腕時計。

2. 裏蓋の構造確認(4点ネジ留め)

時計を裏返し、作業の要となる裏蓋の構造を確認します。 時計の裏蓋にはいくつかのタイプがありますが、このフェンディのモデルは四隅を小さなスクリューで固定する「4点ネジ留め構造」になっています。

ブランドロゴや型番が刻まれた鏡面仕上げの美しい裏蓋に、ドライバーが滑って傷をつけたり、ネジ穴を潰したりしないよう、ここから高度な集中力が求められます。

フェンディの裏蓋に刻印されたブランドロゴと、四隅を留める小さな4本のネジ。
電池交換のために裏返し、4点ネジ留め構造の裏蓋を確認。

3. ネジの緩めと古い電池の取り外し・状態観察

裏蓋を外す際は、1箇所ずつ完全に抜くのではなく、対角線上に少しずつ均等にネジを緩めていくのがプロの鉄則です。これにより、裏蓋やケースに歪みが生じるのを防ぎます。

無事に蓋を開けたら、役目を終えて寿命を迎えた古い電池をそっとピンセットで取り除きます。ここで最も重要なのが「しばし確認(観察)」をすること。電池が切れてから長期間放置されていると、内部で「液漏れ」を起こし、金色の精密回路を腐食させているリスクがあるため、入念に状態を見極めます。

4本のネジと裏蓋が外され、内部のスイス製ムーブメントが露出した状態。
対角線上にネジを緩めて裏蓋を開き、古い電池を取り外して内部を観察。

4. 接地面の汚れを綿棒で大活躍のクリーンアップ

時計の裏蓋とケースの接地面は、着用時の汗や皮脂、空気中の埃が非常に溜まりやすい場所です。蓋を開けたこのタイミングを逃さず、徹底的にお掃除します。

ここで大活躍するのが「綿棒」です。ムーブメント側に汚れを落とさないよう、接地面の縁についた茶色い汚れを綿棒の先で優しく、かつ綺麗に絡め取っていきます。この作業を終えたのち、新しい電池をセットして、まずは正常に電気が流れて動作するかを確認します。

綿棒の先を使って、ケースの裏蓋接地面に溜まった汚れを拭き取っている清掃の様子。
汚れが溜まりやすい裏蓋との接地面を、綿棒を使って徹底的にお掃除。

5. 裏蓋パッキンの状態確認

続いて、取り外した裏蓋の側を確認します。裏蓋のフチに沿って配置されている、四角い輪のような黒いゴムリングが「パッキン」です。

パッキンは、時計の内部に湿気や埃が侵入するのを防ぐ「防水・防塵の要」です。ゴムとしての弾力性が残っているか、亀裂が入ったり押し潰されて変形していないかを職人の目で慎重にチェックします。

金属製のスクエア型裏蓋のフチから、黒いゴムパッキンをピンセットで取り外している様子。
時計の気密性を守る裏蓋パッキンの状態をピンセットで外して確認。

6. 裏蓋の溝も綿棒で徹底清掃

パッキンを取り除いた後の、裏蓋側の細い溝にも古い油分や汚れが蓄積しています。

ここでも再び「綿棒」が大活躍します。新しい防水グリースを塗布する前に、溝の中に残ったわずかなチリも残さず、綿棒を滑らせてピカピカに拭き上げていきます。こうした見えないディテールへのこだわりが、時計の寿命を大きく変えるのです。

パッキンを外した裏蓋の細い溝を、綿棒で細かく清掃している様子。
パッキンを取り除いた裏蓋の溝も、綿棒を滑らせて美しく拭き上げ。

7. パッキンへの防水シリコングリース処理

清掃が終わったら、パッキンに「シリコングリース」をコーティングする処理を行います。

専用のグリースを含んだ丸いスポンジの上にパッキンを載せ、表面に均一な膜を馴染ませます。これにより、ゴムの乾燥や硬化といった劣化を防ぐとともに、裏蓋を閉めた際の密閉性を劇的に向上させ、日常生活防水のパフォーマンスを蘇らせます。

黄色いスポンジの上で、四角い形状のパッキンにシリコングリースを塗布している様子。
柔軟性を保ち防水性を高めるため、パッキンにシリコングリース処理を施します。

8. 裏蓋の閉塞とパルスチェッカーによる最終テスト

グリース処理を終えたパッキンをズレのないよう裏蓋に戻し、4本のネジを再び対角線上に少しずつ締め込んでしっかりと裏蓋を閉じます。

仕上げのステップとして、文字盤側から秒針がしっかりと動いているかを目視でチェック。さらにプロ用機材である「パルスチェッカー」の回路検出台の上に時計を載せます。ステップモーターから発せられる電気的な信号(パルス)が、完璧な周期で刻まれているかを計測。グラフのランプが綺麗に点灯し、無事に正常運針に戻ったことが実証されました。

パルスチェッカーの上に置かれ、電子回路の信号を計測して正常動作が確認されたフェンディの腕時計。
裏蓋をしっかり閉じた後、目視とパルスチェッカーによるダブルチェックで完全復活。

電池が切れたら、安心メンテナンスのエファーナへどうぞ!

今回のフェンディのように、「ただ電池を新しくする」だけでなく、【ケース接地面のお掃除・パッキンの状態確認・防水グリース処理・先進機器によるパルスチェック】をセットで行うのが、エファーナの電池交換に付属する安心メンテナンスです。

特に数ヶ月〜数年ぶりに動かす時計は、裏蓋の隙間に汚れが詰まっていたり、パッキンが乾燥しているケースが多々あります。それらを綺麗にリセットしてあげることで、お気に入りの時計をこれから先もより長く、安全にご愛用いただけます。

「引き出しに眠っていた腕時計をまた使いたい」「高松市内で安心してブランドウォッチを預けられるお店を探している」という方は、ぜひエファーナへお気軽にどうぞ! 皆様の大切な一本を真心込めてメンテナンスいたします。