鮮やかなワインレッドの文字盤と、スタイリッシュなデザインが目を引くポールスミス(Paul Smith)のクォーツ腕時計…とても大切にされているお気に入りの腕時計です。
時計修理や電池交換をお受けする際、最初に行う大切なステップがお客様へのヒアリングです。

受付では「いつ頃時計が止まったか」を詳しくお聞きしています。なぜ止まった時期を確認するかというと、通常のクォーツ時計の電池寿命はおよそ2年前後だからです。

前回電池を入れてから2年程度で止まったのであれば、通常の「電池切れ」としての寿命範囲内といえます。しかし、もし「数ヶ月〜1年未満で止まってしまった」という場合は、ムーブメント内部の油切れや歯車のゴミ噛み込みによる消費電流の増大など、別の原因が潜んでいる可能性があります。
今回は「だいたい2年くらい動いていたかな」とのことでしたので、正常な電池寿命と判断し、新しい電池への交換作業へと進めていきます。

裏蓋を開けたら、役目を終えた古い電池を取り除き、ムーブメント周辺をじっくり観察します。ケースのフチや裏蓋との接合部には、長年の使用で微細な粉塵や皮脂汚れが溜まっているものです。
裏蓋を閉める際や電池を入れる際にこれらの汚れが内部へ侵入しないよう、細身の綿棒を使ってていねいに拭き掃除を行います。併せて、電池の接触端子部分もきれいに掃除して通電性を高めます。

無事に可動することが確認できたら、次は時計を汗や湿気から守るゴムパッキンのメンテナンスに移ります。

パッキンを取り外した後の裏蓋の溝にも、細かいホコリや汚れが残っています。ここも綿棒を使ってきれいにクリーニングしていきます。

パッキン自体に深刻な劣化がないことを確認したら、パッキン塗布器を用いてシリコングリースを均一に馴染ませます。これによりゴムの柔軟性が保たれ、防水・防塵効果をしっかり発揮できるようになります。

裏蓋を元通りにしっかり閉めたら、仕上げにパルスチェッカー(運針信号測定器)へ載せます。内部の回路から正確なステップ信号が発信されているかを数値とライトで最終確認します。

お気に入りの時計を長く快適に使い続けるためには、単に電池を入れ替えるだけでなく、内部の清掃やパッキンのグリース処理といった細やかなケアが欠かせません。
止まってしまった大切な腕時計や、最近電池の持ちが悪いと感じるお時計がございましたら、ぜひお気軽にエファーナへご相談ください。
また、エファーナのWebサイトでも様々なブランド時計の電池交換や修理・オーバーホール事例を掲載しておりますので、ぜひご参考になさってください。